電気治療とは?
効果と注意点について紹介

腰痛や肩痛などの身体の不調や、病気やケガによる身体機能の低下に対するアプローチの方法として「電気治療」があります。
電気や電流を使って治療をすることはイメージできても、具体的な治療方法はわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、電気治療のメカニズムや、治療によって得られる効果、治療の際の注意点などについて解説していきます。
電気治療とは? WHAT
電気治療とは、電気的な刺激によって身体の不調にアプローチする「物理療法」の一つで、電気の刺激を利用して痛みを和らげたり体の機能を回復させる治療 です。整骨院や病院、リハビリ治療などで取り入れられています。
人間の細胞は電気を帯びており、外部からの電気的な刺激を受けると敏感に反応します。この性質を利用して、神経電流のような刺激で身体の回復を図ります。
電気治療の効果 EFFECT
電気治療によって得られる効果には、
主に次の3つがあります。
- 痛みを緩和する
- 血流を改善する
- 筋肉の緊張をほぐす
1.痛みを緩和する
電気治療の中でも低周波の電流は、衝撃による身体の痛み、筋肉痛、神経痛などの痛みを緩和する効果が期待できます。
電気刺激によって痛みの伝達を抑制することで痛みを緩和し、血流を促進することで痛みの原因となる物質を血流とともに流す働きもあります。2.血流を改善する
電気の刺激により血流が改善されるのも、電気治療による主な効果の一つです。高周波電流は低周波電流よりも深部まで刺激が届くため、症状に合わせて使い分けることになります。
また、血流の改善によりむくみの改善も期待できます。
血行不良によって起こりやすい肩痛や腰痛などの症状にアプローチが可能です。3.筋肉の緊張をほぐす
電気治療は筋肉の緊張をほぐすことができるため、
運動後の筋肉疲労や痛みを緩和・除去したいときにも効果的です。
電気刺激により筋肉をもみほぐすことで、血流を促進させて疲労の回復を促します。
電気治療で注意が必要な方 CAUTION
痛みの緩和や血流の改善に効果的な電気治療ですが、以下に当てはまる場合は電気治療を受ける際に注意が必要です。
- 心臓疾患がある方
- 妊娠中の方
- 皮膚の感染症・傷がある方
- ペースメーカーや体内に金属がある方
1.心臓疾患がある方
心臓に疾患がある場合、電気の刺激が心拍に影響を及ぼすおそれがあるため、電気治療を希望する場合は担当の医師に必ず相談しましょう。
2.妊娠中の方
妊娠中の場合、電気の刺激が子宮収縮を引き起こし、胎児へ悪影響を及ぼすおそれがあるため、電気治療を希望する場合は担当の医師に必ず相談しましょう。
3.皮膚の感染症・傷がある方
皮膚の感染症が疑われる場合や皮膚に傷がある場合、電気の刺激によって症状が悪化するおそれがあるため、皮膚科を受診し、医師に必ず相談しましょう。
4.ペースメーカーや体内に金属がある方
ペースメーカー、人工関節などの金属が体内にある場合、電気が流れることで痛みが生じるおそれがあるため、ペースメーカーや金属が埋め込まれている部分の電気治療は控えてください。
また、ペースメーカーや金属が埋め込まれている部分から離れている部位の電気治療は可能なことがあるため、担当の医師に相談しましょう。
電気治療の種類 KINDS
電気治療では、身体の悩みや症状ごとに電気の種類や強さを変えて治療を行います。
ここでは電気治療の主な4種類について詳しく見ていきましょう。
1.経皮的電気刺激療法(TENS)
経皮的電気刺激療法(TENS)は、痛みがある部位に電極を貼り、電流を流す治療法です。電流の強さは痛みを感じない程度の軽度なもので、「低周波治療」とも呼ばれます。
痛みを緩和したり、筋肉の緊張をほぐしたりするのに使われます。2.神経筋電気刺激療法(EMS)
神経筋電気刺激療法(EMS)は、対象の部位に電極を貼り、筋肉や運動神経に電気刺激を送ることで筋収縮を起こさせる治療です。
筋肉の増強、筋萎縮の予防、痙縮抑制などといった筋肉の機能向上を目的におこなわれる他、自分の意思で運動するのが困難な人のリハビリ治療にも用いられます。3.微弱電流療法(マイクロカレント療法)
微弱電流療法(マイクロカレント療法)は、人体に元から流れている「生体電流」に近い微弱電流を使った治療です。
細胞が傷を受けると微弱な電流を流して修復を進める人体の仕組みを利用し、外部から微弱電流を流すことでケガや痛みの早期回復が期待できます。4.干渉電流型低周波療法
干渉電流型低周波療法は、2種類の電流を体内に流し、その周波数の差によって生まれる干渉低周波刺激によって身体にアプローチする治療です。
血流を改善したり、痛みの物質を除去したりする効果が期待できます。
当院の電気治療の機器のご紹介 CARE
干渉電流型低周波治療器
筋を収縮させ、そのポンプ作用による血流の促進で痛みの物質を除去します。
低周波&ホットパック治療器
疼痛や筋緊張の改善、血行の改善が期待できます。
SSP治療器(低周波治療器)
SSP電極をツボに置き、低周波通電を行います。血行を良くし消炎・鎮痛効果が期待できます。
※治療内容(治療機器)は患者様の症状に合わせ、医師と柔道整復師の判断のもと行わせて頂きます。
(既往歴の有無や症状によっては物理療法をお受けできない場合もございます。)
まとめ SUMMARY
電気治療は、痛みの緩和や血流の改善、筋肉のこりの解消など、さまざまな症状に対して効果が期待できる治療法です。身体の状態や症状に合わせて電気の種類や強さを調整することで、より高い治療効果が得られます。
一方で、心臓疾患のある方や妊娠中の方など、一部のケースでは注意が必要なため、治療を受ける際は必ず医師や専門家に相談しましょう。
当グループでは、複数の電気治療機器を活用し、患者様一人ひとりに適した治療を提供しています。電気治療に関心のある方や症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問 Q&A
整形外科の電気治療では、どんなことを行うのですか?
症状の原因となっている部位などに電極を貼り、痛みを感じない程度の電流を流します。痛みの伝達を妨げることで痛みの症状を和らげたり、筋肉の緊張をほぐすことで痛みや肩こりを軽減の効果を期待できます。
電気治療は毎日可能ですか?
痛みの症状があれば、毎日可能な場合があります。ただし、決められた時間を一定期間続ける方が効果的です。治療の詳細は医師や柔道整復師などの診断によって確定します。
誰でも電気治療を受けられますか?
以下に当てはまる場合は、電気治療を受けられない可能性がございます。
(1) 急性疾患がある
(2) 心臓に障害がある
(3) 熱がある
(4) 他の疾患で治療中 など
まずは診断を行い、確認してからの治療となります。