手術後(オペ後)の
リハビリテーションについて
病院等での手術後(オペ後)の
リハビリについて
術前の症状や手術、入院により、身体機能や動作能力が低下してしまいます。患者さまの身体機能の回復のためにも、術後のリハビリは重要です。当院では、すでに退院された方を対象に、多種多様な疾患に対するリハビリを実施しております。
ここでは入院病棟のある病院等を含めた、一般的な術後のリハビリの進め方や期間、内容についてご紹介します。
手術後のリハビリの進め方
術後早期に実施するリハビリは、筋力の増加や早期の自立を促せるメリットがあります。術後は安静にしているよりむしろ、身体を動かしたほうがよいこともあります。そのため、早ければ術後翌日にリハビリを開始します。また術後のリハビリをスムーズに行えるように、術前にもリハビリを実施するケースがあります。
必要なリハビリの期間とモデルスケジュール
手術を受ける急性期病院で2週間程度、回復期病院で2ヵ月程度リハビリを実施するのが一般的といわれています。また、退院後の外来リハビリでは週に1~2回程度の通院頻度となります。
ただし、患者さまの症状や回復速度は個人差があり、必要なリハビリ期間はそれぞれ異なります。詳細な期間や回数は、医師や理学療法士が一人ひとりの生活や目標に合わせて決定します。
手術後のリハビリの内容
手術後のリハビリの内容としては、専用器具を用いたり、リハビリでの徒手(としゅ:器具を用いないこと)・運動療法により心身機能の回復を行っていきます。リハビリ用の専用器具には、平行棒・バランス訓練器具・歩行補装具などさまざまあります。
また積極的に行うリハビリの1つとして、合併症予防や早期の機能回復、維持、向上を目的に早期離床が推奨される場合もあります。離床とは、状態に応じて段階的に臥位姿勢(がいしせい:ベッドで横になっている姿勢)を変えていきながら、起き上がり、立ち上がりを行い、病床から離れることです。
リハビリの内容も、患者さまの症状や日常生活を考慮したうえで担当医が決定します。
手術後のリハビリがとくに重要な
部位や疾患について
専門的なリハビリが重要となる部位は、手・手首・肘・肩・足・足首・膝・股関節などです。
主な疾患として、次のようなものがあげられます。
- 変形性関節症
- 肩関節周囲炎(五十肩)
- 骨折後拘縮
- スポーツ障害
- 事故や怪我による外傷
手術後のリハビリの注意点
術後早期のリハビリにはさまざまなメリットがありますが、同時に次のような注意点があります。
手術を受けた病院やクリニックの担当医の案内に従って、無理のない範囲でリハビリを行いましょう。
過度なリハビリは控える
適度に身体を動かすことは、早期回復が期待できますが、過度なリハビリは逆効果を招きます。とくに股関節の人工骨頭置換術を行った患者さまは、運動方向により脱臼のリスクになる場合があります。疾患に応じて適度なリハビリが重要です。体力や痛みの程度を理学療法士と相談しながら行っていきましょう。
体調を考慮して進める
術後は体調変化が激しい時期でもあるため、患者さまの体調を考慮して進めなければなりません。血圧・体温・患部の状態を鑑みながら、担当医の指示に従い慎重にリハビリ治療を進める必要があります。
負担がかからないように進める
手術侵襲による疼痛(術後の痛み)があると、患者さまもリハビリが億劫になり、回復がスムーズに進みません。関節の構造を理解したうえで、なるべく負担がかからないように担当医が考慮する必要があります。術後の痛みを軽減するために、場合によっては痛み止めを用いてリハビリを行うケースもあります。
いきなり離床しない
入院病棟等で行われる積極的な離床は、寝たきりを予防したり、心身機能の早期回復を促す効果が期待できます。しかし、いきなり離床を実施すると血圧の急激な降下につながる恐れがあります。そのため、血圧を測定しながら離床を行うのが基本です。
手術後のリハビリの重要性
手術が成功しておわりではなく、術後も退院したその後も、患者さまが健やかな生活を送れることが何より大切です。
リハビリは、以下のような重要な役割を担っています。
術後の早期回復が期待できる
術後は、体力や身体機能が低下しています。とくに関節可動域、筋機能などを重点的に介入していきます。患者さまに応じた適切なリハビリによって、歩行能力や体力の増加、身体機能の回復が期待できるでしょう。さらに早期の機能回復が得られることで、早期退院(入院日数の短縮)にもつながります。
筋力低下による誤嚥性肺炎の危険性を防ぐ
リハビリは、寝たきりになるのを防ぐだけではありません。それにともなう筋力低下による誤嚥性肺炎のリスクも予防できます。誤嚥性肺炎とは、老化や筋力の低下によって気管に唾液や胃液などが入り、肺炎が生じる病気のことです。術後寝たきりになると、口周りの筋力も低下するため、誤嚥しやすくなります。術後のリハビリによって、さまざまなリスクを回避できます。
機能的問題が残存することをを防ぐ
手術により構造的問題の改善、軽減が望めますが、手術部位を中心に機能的問題が残存してしまいます。たとえば、癒着による筋肉の固まりや可動域の狭まり、筋力の低下などさまざまです。このような術後に残存する機能的な問題を取り除き、退院後に健やかでストレスの少ない生活を送るためにも、術後のリハビリは欠かせません。
高齢者の認知症の進行を防ぐ
患者さまが高齢の場合、寝たきりによって認知症が進行するリスクがあります。認知症の進行予防には、適度な運動や歩行が効果的といわれています。適度なリハビリを実施することは、高齢者の認知症予防の役割も果たすのです。
二次的な痛みを予防する
痛みが一定期間継続すると、本来の痛みとは別に二次的な痛みが生じるケースがあります。たとえば動作時や安静時の痛みを避けるために、不自然な動きをしてしまうことで、筋血流の悪化や痛みを生じる場合があります。このような負の連鎖を断ち切るためにも、リハビリで身体機能を回復させ、日常生活の回復を目指すことが大切です。
当院(整形外科)の手術後のリハビリ
当院では、病院から紹介を受け、退院された方の日常生活動作能力の向上、仕事・スポーツ復帰やそれらのパフォーマンス向上を目的に、リハビリテーションを行っています。
主に変形性関節症や外傷による骨折・肩関節周囲炎(五⼗肩)をはじめとした整形疾患や中枢神経性疾患、スポーツ障害に対するリハビリを実施しています。東京・埼玉・千葉エリアに6院を展開する地域密着型診療で、地域に愛され、信頼されるクリニックを目指しています。
確かな技術をもつリハビリスタッフ(理学療法士)
身体のメカニズムを熟知した理学療法士が、多種多様な疾患に対応いたします。機能訓練・運動療法・物理療法・徒手療法などを用いて、身体機能の回復や痛みの軽減を図ります。専門のリハビリスタッフがマンツーマンで対応いたします。
患者さま一人ひとりに適切なプログラムのご案内
医師・理学療法士・柔道整復師の判断のもと、患者さま一人ひとりの症状に合わせたリハビリプログラムをご案内しています。平行棒・姿勢矯正鏡・⾃転⾞エルゴメーターなど、充実した専門器具が整備されております。
体調管理や生活習慣の見直しまでしっかりサポート
術後、健康的な生活をお過ごしいただき、それを維持していくために、体調管理や生活習慣の見直しも行っています。自主トレーニング指導も行い、リハビリ中だけでなく、リハビリ以外の時間や終了後も良い状態が保てるよう、しっかりサポートいたします。